お別れしたこと。

恋愛体質の私は、長く付き合っていた彼と別れてからせっせと恋人作りに励んでいた。

私は今まで「恋愛」というものにものすごく重きを置いていて、しかも前の彼氏は4年も付き合って一時期同棲までしていて結婚まで考えていたものだから、急に恋人という存在を失ってしまうことが怖かったのだと思う。




初めて周りの人を意識して、ご飯に行ったり、LINEしたりした。


何回か告白されたけれど前の恋愛の呪縛からは抜けきれず、やっぱりダメだと断ることばかりだった。



その中でたまたま出会ったのが今の彼だ。
ほとんど共通の知り合いもいない、そして全く違う世界で働いている人だった。

はじめは「まあ会ってみるか」程度の気持ちと「変な人だったらどうしようかな」という気持ちでいた。

そして付き合ったのも相手の押しが強くて、「付き合ってみるか〜」程度だった。

そんな軽い気持ちで付き合ったことは初めてで、いつも私が大好きで大好きでたまらなくて、その日に何回話せたかを数えるとか高校生みたいな恋をしていた私からしたらずいぶん大人になったものだと思う。




コンビニの店員さんに言う「ありがとう」とか、その街で一番評判のいいお店に連れて行ってくれるところとか、話してくれる仕事のこととか、些細なことで私の気持ちは募っていった。


仕事が忙しい、といって連絡は全然ないし、会ってくれない時期もあったけれど、今思えばかなりの人生経験になったと思ってる。



何より自分の人生に大きな影響を与えてくれた。

当時私は就活生で、このコロナの状況のもと、いつもと異なる就活をしていて、この先どうなるのかと不安ばっかだった。
行きたい企業はあったし、やりたいことはあった。だけど、人には会えないし、家でweb上の面接だし、お祈りメールは来るしでメンタルはやられていた。

その時たまたま彼に言われた言葉がぐさっと刺さったのだ。
もちろん私に向けていった言葉ではなかったけれど。


相当努力してきて今の職業についた彼は努力してない人を見ると「その人が頑張るときは今じゃないんだな」と思うと言ってた。
それを聞いて、今私は行きたい企業もあるのに努力できてるんだろうか、ちゃんとそう見えてるだろうか、と考えるようになった。

客観的にそう見られるためには主観的にそうでなければならない。

私は今、本当に頑張ってるだろうか?
私が頑張るときは今じゃないのか?



そう考えてから自分がやらなくちゃいけないことが明確になってきてやる気も出たし,暇な時間があれば常に,志望就職先の分析や自己分析,その会社で何がしたいかをノートにひたすら書いていた。常に不安とは戦っていたけれど,前よりもずっと自信がついた。


たったその一言で私のモチベーションは大きく変わったし,おかげで第一志望の企業に就職することができた。
ありがとう,彼氏。





だけど,少し前にその彼氏とはお別れした。致し方なく。