【映画】ビリギャル ー学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話ー

 

 

 

主演:有村架純

 

学校でびりの成績の問題児のさやか。友達と遊ぶことでしか存在の意義を見出せずいつも遊んでばかり。タバコがばれたことで停学処分になる。他に誰がタバコをやってるか,一切明かさず友達を売らないさやかの優しいさに教員側はいいように思わず,このままでは付属校の大学に上がれそうもなかった。そこで母親であるあーちゃんは受験することをさやかに勧める。さやかも深く考えずに個人指導をしてくれる小さな塾に入ることになったがさやかの頭脳レベルは小4で…

 

 

 

ビリギャル,一時期凄く流行ってたけれど見ようと思ったことがなくて今までずっと放置。

 

この休みの間の暇つぶしにとAmazon primeを探してたら見つけたので軽い気持ちで鑑賞。

 

 

 

 

でもこれ,めちゃくちゃ良い。

 

 

 

 

大学受験を本気で向き合ったことのある人にはすごく勧めたい。

自分がたとえビリギャルじゃなかったとしても!

 

 

 

今思えば受験はすごく青春の一つだったなと思う。

私は浪人もしたからその青春を二回も味わったわけだけど,

両方ともいい経験になったと就活している今でも思う。

 

 

就活していると必ず聞かれる「浪人時代のこと」

 

 

 

挫折経験の一つだと思うけど,モチベーションはどう保っていたの?

現役の時とどう違った?

 

 

正直,浪人時代なんて挫折からの始まりだ。

現役時代に「第一志望に落ちた」「あんなに勉強したのに」「この一年間は無駄だった」

そういう風な気持ちを頭に浮かべ,自分の番号のない掲示板を見つめるのだ。

 

 

私は現役の時,模試ではA判定が出ていたから当たり前に受かるだろうと思って

ネットで確認するより先に掲示板を直接見に行った。

なかった。

 

悲しい気持ちと何とも言えないやるせなさを抱えながら,

とぼとぼと駅までの道を歩いた。

 

 

 

そして浪人生活が始まる。

今まで女子校だったからとなりに男の子が座ることの奇妙さを感じたことが一番の印象だった気する。

 

中学受験で塾に通っていた時はみんなおとなしくて友達もできず,

いつも一人で席に座ってお弁当を食べていたものだから今回もそういう感じなんだろうなと思っていた。

だからあえて友達を作る行動をせずに,自分の目標だけを追いかけていこうと思った。

 

 

 

だけど,隣に座った人は女の子で,その子はめちゃくちゃ気さくな子で,

はじめてのお弁当タイムでクラスの女の子を集めてご飯を食べ始めた。

 

国立理系のクラスだったから女の子は少なく15人ほどだったと思う。

みんなで後ろの席に集まってわいわいご飯を食べた。

 

 

 

 

それから女の子以外とも仲良くなった。

 

私は現役の時の先生のおかげでまあまあ化学が得意だった。

受験となるとパターンもわかっているし,先生の教え方もうまくて一生懸命勉強したからだ。

 

そして模試のたびに教室の前に張り出されるテスト結果の順位では1位を独走した。

 

 

不動の1位であった私を誰だ誰だと検討し始める男子たち。

順位表を私が見に行くと「今回もさやまみるくが1位だったね~」と話しかけてくる担当教師。

 

「ははは」とかるく反応して心の中ではいつもガッツポーズをしていたな。

 

 

その様子を見て「不動の1位を動かす!」と盛り上がる男子たちに私もひそかにライバル心を抱いた。

 

 

 

 

それからというものクラスには話せる男女の仲間がたくさんできて

クラス外にも友達ができた。

 

テストの結果を教え合い,時に喜びときに励まし,

悩みを分け合った。懐かしい。すべてが青春だった。

 

 

一年間,起きている時間のほとんどを予備校で過ごした。

とても濃い一年だったなと思う。

 

第一志望の当日,少しいつもより早く起きて,準備をし,緊張と少しの興奮を抱えていた。

出かける前,母親に感謝を伝えようと思っていた。一年間,経済的にも精神的にも一人で支えてくれていたことは重々承知だった。

 

実際声に出したら泣いてしまったのを覚えている。

泣くほど感謝したのはこの時が一番だと思う。母親の存在は当たり前になりすぎて,感謝を忘れてしまう。

 

 

 

だけど,第一志望の前期試験はやはり落ちた。

そこに賭けていたから,もう結果を見た瞬間絶望だった。

この1年間,また,私がやってきた努力が実らなかった。あんなに勉強したのに。

そしてなにより親に申し訳なかったのだ。予備校に行くのにもお金が当たり前に必要になる。

母親が汗水たらした働いたお給料を自分の将来のために使ってくれたんだ。

 

映画の中でもあーちゃんが夜中まで引越センターで働く姿があった。

母親は本当に強い,と思う。どうして自分以外の人にここまでできるんだろうかと思う。

 

 

 

5日後に迫った後期試験で私は最後の賭けだと思い,他の子が合格報告をしに来た傍らで人の少ない自習室にこもって勉強した。

後期試験に今まで全く触れずに勉強をしてきたから,自信なんてこれっぽっちもなかった。

記念受験,行きたかった大学に足を踏み入れる最後の機会だと思った。

 

 

 

さやかも絶対受かると思っていた文学部が落ち,望みの薄かった総合政策部にうかった。

 

あー受かってないだろうなとわかりつつも少しの希望を胸に抱き,合格発表を見る瞬間。

うわー懐かしい!と思った。

 

 

後期試験の結果は受からないだろうと思って結構落ち着いた気持ちで画面を見ていた。

友達も受けていたから,その子の番号を見てやろうと思っていたのだ。

 

やはりその子の番号はあって,私のはなかった。

やっぱりなー。と思いつつ,そのすぐ2こ後ろだった友達の番号はあってうらやましいなと思っていた。

写真を撮って送りつけよう,と思って写真を撮った時にそのページの学部が違うことに気付いた。

 

 

全然違う学部じゃん!

そこからゆっくりスクロールして自分が受けた学部まで移動した。

ゆっくりゆっくり。

 

自分の番号までゆっくり。

 

その時が一番ドキドキした。

一度落ちた!と思っていたのに,その時よりもなぜがドキドキしていた。

 

 

 

番号を見つけてすぐに親に連絡したな。

一番最初に伝えたかった人は母だったな。

 

 

それから予備校でよくしてもらっていた担任には連絡せずにすぐさま予備校に足を運んだ。

予備校では番号を事前に伝えているから,担任は結果を知っていたはずだけど報告しに行ったらすごく喜んでくれたのを覚えてる。

 

 

 

 

受験は青春だ。

一番自分が時間をかけたことであり,努力が実った結果を得た経験だ。

入学してからもう6年目になるからもう受験のことなんて結構忘れていたけれど

その青春の1ページを思い出させてくれるいい映画だった。