元に戻った恋人たち
先日、一度別れた恋人と寄りを戻した。
いわゆる復縁だ。
2つ前の、4年も付き合った彼氏とは別れた直後復縁したくてたまらなかった。Twitterでもいわゆる復縁垢を探して、恋愛カウンセラーの復縁に重点を置いている人のツイートを保存しまくり、連絡をとっていない期間を冷却期間だと言い張り相手のラインを何回も見返した。
別れてから何回かデートをしたけれど、結局復縁することはなかった。あんなに復縁したがっていたのに、しばらく恋人なしで生活していたら周りの友達や家族の誘いが増え、狭かった世界から抜け出したからだ。
当初わたしは、恋愛ばかりに執着していて生活は「恋愛」と「それ以外」だったのだ。今となっては依存しすぎていた恋愛から解放してくれたことに感謝している。恋人と喧嘩してかなりダメージを受けていた時のわたしを、周りの人は手に負えないと思っていただろうな。
さて、話は復縁したことに戻る。復縁した。でも一旦縁が切れて冷却期間を取ったわけではない。以前もこちらで書いていたように、別れたのに別れていないような生活をしていた。きっとそれはわたしが学生だからであって、彼が在宅で仕事をしているから成り立っていることだと思う。学校が終わってからその人の家に行って、ご飯を食べてから仕事している姿を眺める。わたしも手元の作業をしながら、たまにおしゃべりをして、笑う。好きな曲の話をして、流して、と言われたらiPhoneの Spotifyでお気に入りの曲を流す。お風呂に入ってさっぱりしてから夜食を買いにコンビニへ散歩する。
そういう日々が別れてから何日かあった。
週1の時もあれば、ほぼ毎日会うこともあった。(おかげで寝不足の時もあった)
恋人じゃなくてもよかった。名前のつかない、曖昧な関係のまま、いつまでもいられればよかった。
でもこれって女の子にとってめちゃくちゃしんどいことなんだ。別れたのも、わたしが相手のことを嫌いになったとかではなかった。とても好きだったけれど、忙しい彼に普通の彼氏のような役割は難しかったようだ。外に出かけよう、と言っても仕事が入ったり、寝れていなくて疲れていたりと何回もドタキャンされた。今はそばでその仕事ぶりを見ているからどれほど忙しいかなど手に取るようにわかる。仕事をしている姿はとてもかっこいいけどあまり無理しないでねとも思う。
それで、別れてからもたまに家に行っては家事をしてたり食事したりしていたけれど、たまになんとも言えない不安が襲ってくる。わたし、このままでいいんだろうか。
悲しくなって密かにトイレで泣いたこともある。彼は鈍感なところがあるからわたしがこっそり泣いていたことなんて気づいていないだろうけど。
そんなふうに過ごしていたら悲しみがどんどん大きくなって、爆発した。こんなに近くにいるのに手に入らないその人と一緒にいるのがしんどいと思ってしまった。その様子にはさすがに気づいたのか彼が熱心に話を聞き出そうとしてくるので、言わないつもりでいた本心を話した。話して、じゃあもう会うのやめようか、と言われる方がものすごく嫌だった。
けれど、彼はごめん、と謝ってから沈黙してそれから付き合おうか、と言った。
この前までの関係に名前がついただけであまりお互いに大きく変わることはなかったけれど、名前がつくことの安心感はすごい。人間はわからないものが怖い、だから名前をつけるんだというのをどこかで読んだ。名前のついた関係に安心している自分にやけに人間らしさを感じて、ちょっと滑稽だなと思う。